Lumo編集部より:
花守結羽さんのインタビューには、キャリアの長さに縛られることなく、常に自ら学び・動き・届ける姿勢が詰まっていました。
長年積み重ねてきた知識や経験に、新たな情熱が加わり、より豊かに、しなやかに広がっている。
「食べることの尊さ」に改めて気づかせてくれる一編です。
「最後まで“食べる喜び”を届けたい」
――まずは自己紹介をお願いします。
歯科衛生士として40年のキャリアを積みながら、「クラリティラボ」という屋号のもと活動を展開しています。
現在は歯科医院での勤務に加え、マルシェ出店や、児童クラブ・高齢者施設での口腔機能指導を通じて「食べることを支えるケア」に取り組んでいます。
なぜ活動の幅を広げたのか?

――どんなきっかけで、今のような活動に?
誤嚥性肺炎で命を落とす高齢者が多いと知り、歯科衛生士としての役割の大きさを再認識しました。
また、子どもの口腔機能も乳児期から整えることが重要だと気づき、「口から生きる力」を支える活動へと広げていきました。
挑戦を後押しした“転機”
――なぜ今、新たな挑戦を?
家族の病気を経験したことで「このままでいいのか?」と問い直すようになりました。
40年積み重ねてきたキャリアを「形に残したい」という想いが強まり、クラリティラボとして社会に還元する道を選んだんです。
「周りの目が怖い」をどう越えたか
――挑戦に不安はありませんでしたか?
「どう思われるか」「失敗したらどうしよう」そんな不安は当然ありました。
でも「元に戻るだけ。マイナスにはならない」と考え直したことで、自然と動き出せるようになりました。
3003法って何?
――3003法について教えてください。
受胎から生後1000日間の姿勢・抱き方・授乳スタイルが、その後の口腔機能に大きな影響を与えるという知見です。
「その大切さを、もっと早く伝えたい」──でも忙しいママに届ける方法は今後の課題です。
目指すのは「最後まで食べられる未来」

――この活動で、何を目指していますか?
流動食ではなく、自分の歯で「おいしい」を味わいながら人生を終えてほしいと強く思っています。
“食べることを最後まで楽しめる”社会をつくることが、私の願いです。
まだまだ学び続けたい
――今後、どんなふうに活動を続けたいですか?
施設や個人セッションを通じて、もっとお役に立てるように学び続けたいと思います。
「いくつまで働きたいか?」と聞かれたら、答えは「元気なうちはずっと」です。
読者のみなさんへ
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
食べるという行為は、生まれて最初に始まる、最も根源的な行動です。
そして人生の最後まで残る動きでもあります。
その“食べる力”を守ることが、生きることの質を高めると信じています。
これからも学び続け、伝え続けていきたいと思っています。
Lumo編集部より:
「最後まで食べる」──当たり前のようで、とても尊いこの営み。
花守さんの言葉と行動からは、それを支える情熱と使命感、そして何よりも“人への愛”が伝わってきます。
このインタビューが、誰かの次の一歩に寄り添うきっかけになりますように。